令和六年度 成果報告会
- gandaikenma
- 2月27日
- 読了時間: 4分
2025/02/27 令和6年度 学内カンパニー成果報告会にて報告会を行ってまいりました。
今年度は、学外の方々との連携や精度測定など、新たな挑戦に取り組むことができた一年でした。活動を進める中で、まだ研究の余地や運営上の課題も多くありますが、多くの方々に支えられながら取り組むことができました。
また、これまでの積み重ねが実を結び、奨励賞を受賞することができたのも大きな成果の一つです。これまで支えてくださった皆さまに感謝しつつ、今後もさらに発展できるよう努力を続けていきます。

以下報告会の書き起こし

岩手大学研磨工業 令和6年度 成果報告を始めさせていただきます。
岩手大学理工学部 化学コース3年の加藤海里です。よろしくお願いいたします。

岩手大学研磨工業の説明になります。
我々は最高の滑りを道具から支えるというコンセプトのもとスピードスケート用簡易研磨道具を製作、販売しているカンパニーです。その他にもブレードに関する研究にも着手しています。
メンバーは理工学部、農学部、人文社会科学部と様々な学科で構成されています。

活動背景についてです。
スピードスケートのブレードにはRと呼ばれる曲率がついており、安定性、滑りの相性など、選手の成績に影響を与える要素であります。

従来の研磨道具は必要な道具が研ぎ台、伽石、バリ取り用砥石と多く、価格も高価でありました。ブレードの管理は選手本人が行います。試合と試合の合間にブレードのメンテナンスなど時間的がない状態での研磨を行うため時間が掛かるのは課題でした。また、初心者には研磨が難しいという問題もあります。
これに対し、我々は短時間で、初心者でも研磨ができるR-keeperという製品を開発しました。

こちらがR-keeperになります。R-keeoerはアルミケースと台金からできており、ブレードを挟み込むようにして研磨するため難しい操作はありません。また、台金に曲率を維持する加工が施されているためロックを保ちながら研磨することができます。

今年度の活動報告です。
昨年度の販売会の際にR-eeperの精度に関する質問をいただきましたが、データとして証明できるものがありませんでした。今年度はR-keeperの精度に関するデータを測定し、レポートとしてまとめることを最重要課題としました。
測定には現在もマスターズの選手として活躍している横屋様にご協力いただき、R-keeperを利用した際のRの変化を測定しました。

結果になります。
測定の結果、R-keeperを用いた研磨では大きなRの崩れがなく、ある程度の精度が保たれていることがわかりました。
こちらに関しましては継続した調査を現在も行っております。

サイド研磨、エッジの研究についてです。
今年度、岩手県スケート連盟の夏目様にご協力いただき、研磨方法やエッジに関して様々なお話を伺い、知見を得ることができました。
しかしながら、こちらのプロジェクトを担当していた社員が後期に休学してしまったため活動が一時中止してしまっています。

全体を通しての総括です。
今年も3月に行われる長根ファイナルにて販売会を行うことができるようになりました。こちらは現在準備を進めております。
また、今年度は前期の活発な社員募集の結果1学年の学生3名が入社してくれました。技術部、経営部共に人員を補充することができ、来年度以降の活動に関して懸念事項が一つ解消できたと思っております。
一方、社員間のコミュニケーション不足が目立ち、製作に関しては課題が残りました。来年度は密なコミュニケーションや他カンパニーの事例をケーススタディとして応用していこうと思っております。

今後の展望についてです。
まずはR-keeperの改良を行いたいと思っております。こちらは、挟み込みの機構を改良し、選手の好きな挟み圧で研磨できるようにしたいと考えております。
また、継続したデーて収集につきましても来年度以降さらに良いデータを収集していきたいと思っております。
そして、組織の強化です。こちらは先ほど話したように他カンパニーを参考にしつつ働きやすい環境を整えていきたいと思っております。

最後に、今年度活動に協力していただいた起業家支援室の先生方、理工学部事務室、ステークホルダーの皆様に感謝申し上げます。
以上で岩手大学研磨工業の報告でした。ありがとうございました。
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